日米進学通信2020年度2月号「『勉強する』ってどうするの?」
今年度の入試も残すところ公立高校入試、私立大学入試の後半戦と国立大学入試を残すのみとなりました。現在までの結果は生徒の皆さんへの第一報の通りです。既に終了している中学入試、私立高校入試で生徒諸君はそれぞれに健闘してくれました。特に、中学入試の結果には、入会時の成績や、これまでの経過を考えると、本当に胸が熱くなります。そして、ここに至る過程を支えて下さっている保護者の皆様には心から感謝です。有難うございました。残る高校入試、大学入試でも生徒の皆さんが自分の力を信じて、存分に実力を発揮し、心から納得のいく結果を出してくれることを祈るばかりです。頑張れ、受験生!
さて、毎年この時期、特に受験を終えた皆さんに確認することがあります。それは、受験が終わっても「勉強は終わらない」ということです。また、中学→高校→大学とステージが上がるほど学ぶべき内容は高度になります。そして、就職してもなお、勉強は続くのです。それどころか、大人になってからの勉強の方が大変かもしれません。日米では「受験を通じた自立支援」が塾としての使命だと考えています。日米で学び続けている皆さんは当然ですが、受験を終えて日米を卒業する皆さんも、日米で手にいれた「勉強の仕方」を実践して下さい!それこそが日米生であることの意義かも知れません。
日米では既にYTコースの新年度は開講しており、小・中進学コースも3月が新年度の始まりになります。そこで今月号の通信では、新たな学年を迎えるにあたって改めて「勉強の仕方」について考えていきます。通信や授業で既に何度も取り上げている内容ですが、日米における学びの根幹ですので繰り返し読んでみて下さい。本当に身につけるためには、その内容を理解した上で、勉強するときに、常に意識し続けることが大切なのです。
まず、正しい「勉強の仕方」を実行すれば、成績は上がります。ただ、日米では「成績が上がる」ことを、単に「点数が上がる」とか「順位が上がる」とは考えていません。目先の点数や順位を上げるために定期テストの過去問を解いたり、闇雲にワークを暗記したりしても、その先に待ち受ける最近の入試への対応力や、その先の未来を生き抜く力にはつながらないからです。そこで、日米では「成績が上がる」とは「今まで出来なかったことが出来るようになること」と定義しています。すると、成績を上げるために「勉強する」とは「出来なかったことを出来るようにする」ことになります。出来なかったことが出来るようになれば、点数も順位も上がります。また、この考え方を実践することは、将来の自分の成長にもつながるのです。
「勉強する」とはどうすることかが分かれば、勉強を始めるに当たって、何をするべきかが分かります。すなわち、自分が「出来ていない」分野を把握することです。当たり前のように思えますが、成績が伸びない人達の最大の原因は、実は、何が出来ていて、何が出来ていないのかを自分で分かっていない点にあります。机に向かっている時間が長い割に成績が伸び悩んでいる子は、「出来ている問題」と「出来ていない問題」に同じ位の時間を割いていることが多いのです。出来ていないことにこそ時間を取るべきなのですが、出来ている問題ばかりやって、勉強した気になっているケースが数多く見られます。
では、どうすれば自分が出来ていないことを把握できるのか?これもまた、当たり前のことなのですが、問題を解いた後の「○つけ」をきちんと行うことです。しかし、なかなか結果が出ていない子は、それがしっかりと出来ていません。そもそも正解していないのに○がついていたりします。自分が出来ていない問題すら認識できていないのです。また、不正解であっても「間違い直し」と称して模範解答をそのまま写して「青マル」をして出来た気になっていたりもします。これでは成績は上がりません。(この「青マル」という、特に小学校で行われている慣習は何とかして欲しいと常々思います・・・。)
「出来る生徒」になるために大切なことは二つあります。まず、「間違えることは悪くない、むしろ良いことだ」という認識をしっかりと持つことです。誰でも間違えることは嫌ですが、出来ないことを正面から受け入れられる「素直さ」こそが「出来る生徒」の特徴なのです。保護者の皆様も普段の勉強やテストなどでお子さんが間違えた場合には、笑顔で言ってあげて下さい。「これでまた成績が上がるね!」と。日米は生徒の皆さんが「安心して間違えられる」場所であるように心がけています。ただ、皆が見ている授業の中で、間違えることは相当勇気のいることです。そんな勇気を持つことが出来るように講師達は授業中に後押しをしていきます。
二つ目に大切なことは「『間違い直し』とは次に同じ問題が出たときに『出来るようにすること』である」という認識を徹底することです。模範解答を写すことが間違い直しではないのです。むしろ、誤答を書いた場所に答えを書き直さないことを日米では推奨しています。間違えたとき、分からなかったときには、答えを写すのではなく、どうしたらその解答になるのかを、解答・解説をじっくり読んで考えます。そして、今度は何も見ないで、自力で解答までのプロセスを説明できるようにします。もちろん、すぐに説明が出来るようにはなりません。出来るようになるまで、じっくりと繰り返すのです。その際、どうしても分からなければ日米にはコーチングスキルを身につけた講師達がいつでも質問に対応し、君達が「出来るようになる」までサポートします。
この二つのポイントを押さえて、一つでも「出来る問題」を増やしていくことが成績向上と入試での成功につながります。結局入試で合否を分けるのは、「出来る問題」を確実に得点できるかどうかなのです。「出来ない問題」が出来なくて不合格になるのは実力が足りないのであって仕方がないことです。焦ることなく着実に実力を身につけていきましょう。そのために必要なのは、目の前にある教科書、塾の教材を確実に出来るようになるまで繰り返すことなのです。新しい参考書や受験テクニックなどではありません。
この考え方が身につけば、日米を卒業してもなお、自分で勉強することができるでしょう。もちろん、社会に出てからは「解答のない問題」に取り組むことになります。しかし、その解決に必要な知識や経験は勉強する過程で身につけることができるのです。そして、勉強に限らず、色々なことでどうしても行き詰まってしまったら、いつでも相談しにきて下さい。日米は必ずここにあります。皆様にとって、地域にとってなくてはならない教育機関となるためにスタッフ一同全力で取り組んで参ります。