日米文化学院流 「正しい勉強のやり方」
今年度の入試もあとは公立高校入試、私立大学入試後半戦と国立大学入試を残すのみです。現在までの結果は別紙をご覧ください。中学入試では開成中合格を始め、10名の生徒達が私たちの想像を超える成長を見せてくれました。そして何よりも、支えてくださった保護者の皆様に心から感謝です。エピソードが詰まった今年度の中学受験の総括は、来月22日に行われる「入試報告会」にてお話しします。ご期待ください!
受験が終わっても「勉強」は続く
さて、一般的には「受験が終われば勉強も一休み!」となりそうですが・・・、そうならないのが現実です。受験が終わっても勉強に終わりはありません。中学→高校→大学とステージが上がるほど学ぶべき内容は高度になるのです。そして、就職してもなお、勉強は続きます。むしろ、大人になってからの勉強の方が大変なのです。
受験の大きな意義の一つは、「勉強の仕方を身につける」ことにあると日米は考えています。そこで、今月号の通信では、新学年を迎えるにあたって改めて「勉強の仕方」について確認します。既に何度も取り上げている内容ですが、「日米における学び」の根幹ですので繰り返しお読みください。そして、実践してください。内容を理解し、それを何度も繰り返すことで初めて自分のものになるのです。
「正しい勉強のやり方」とは?
そもそも、「正しい勉強の仕方」とは何でしょうか?たとえば、目先のテストの点数や順位を上げるだけなら、学校で配布されたワークを機械的に暗記したり、テスト対策と称して、定期テストの過去問を解いたりするのは一見正しい勉強の仕方のようにも思えます。しかし、暗記で「同じ問題」ができたとしても、学力が身につかないばかりか、最近の入試問題にも対応できません。定期テストの点数が上がっても、入試で点数が取れないのです。何より、勉強することの「楽しさ」を感じられなければ、学び続けることが難しくなります。自分の成長を実感できること、すなわち、「今まで出来なかったことが出来るようになること」で勉強は楽しくなります。だから、「勉強する」とは、「出来なかったことを出来るようにすること」なのです。出来なかったことが出来るようになれば、自己肯定感が上がると共に、定期テストの点数も順位も上がります。
「出来なかったことを出来るようにする」方法
では、「出来なかったことを出来るようにする」にはどうすれば良いのでしょうか?
まず、勉強を始める前に、自分が「出来ていない」分野を把握することが必要です。当たり前のように思えますが、成績が伸び悩む最大の原因は、自分が何を理解していて、何を理解していないのかを把握できていないことです。机に向かっている時間が長い割に成績が伸び悩んでいる場合、「出来ている問題」と「出来ていない問題」に同じ位の時間を割いてしまっていることが多いのです。重要なのは「出来ていない問題」に重点をおくことです。
そのためにまず行うべきことは、問題を解いた後の「丸付け」をきちんと行うことです。しかし、成績が伸びない生徒ほど、その作業が不十分であることが多いのです。正解していないのに○をつけてしまうこともあります。自分が出来ていない問題を認識できていません。成績が良い生徒は自分が本当にやるべき問題をしっかり把握しています。
次に、把握した「出来ていない問題」を「出来るようにする」ための取り組みが必要です。「出来る」とは、「その問題を全く知らない人に対して全て説明できる」状態を指します。暗記科目であれば、問題と解答を逆にしても答えられるようにすること。つまり、「解答を見て、問題が言える」状態にすることです。当然、繰り返しの学習が不可欠です。間違えた問題は少なくとも3回、苦手な問題は、それこそ何度でも解き直しましょう。
成績が伸びない生徒の多くは、「間違い直し」を単なる解答の丸写しで終わらせてしまいます。出来る生徒は、間違えた問題の解答欄には何も書かずに繰り返せるようにしているのです。
「出来る生徒」になるためには?
「出来る生徒」になるために大切なことは二つあります。まず一つ目は、「間違えることは悪くない、むしろ成長のチャンスだ」と考えられるようになることです。誰しも間違えるのは嫌なものですが、間違えることにひるまない「勇気」と出来ないことを正面から受け入れられる「素直さ」こそが「出来る生徒」の特徴なのです。そして、間違える度に怒られる環境では、そんな勇気や素直さは育ちません。それどころか、ズルをしてでも間違えないような行動につながってしまいます。大切なのは「安心して間違えられる環境」なのです。保護者の皆様も普段の勉強やテストなどでお子さんが間違えたときには、是非、笑顔で「これでまた成績が上がるね!」と声をかけてあげてください。
二つ目に大切なことは、「間違い直し」とは「次に同じような問題が出たときに出来るようにすること」だと認識することです。模範解答を写すことが間違い直しではありません。間違えたとき、分からなかったときには、答えを写すのではなく、どうしたらその解答になるのかを、解答・解説をじっくり読んで考えます。そして、今度は何も見ないで、自力で解答までのプロセスを説明できるようにします。もちろん、すぐに説明が出来るようにはなりません。出来るようになるまで、何度も繰り返すのです。その際、どうしても分からなければ、コーチングスキルを身につけた日米の講師陣が質問に対応し、君達が「出来るようになる」までサポートします。
この二つのポイントを押さえて、一つでも「出来る問題」を増やしていくことが成績向上と入試での成功につながります。入試で合否を分けるのは、「出来る問題」を確実に得点できるかどうかです。「出来ない問題」が出来なくて不合格になるのは、実力が足りないだけであり、仕方がないことです。焦ることなく着実に実力を身につけていきましょう。そのためには、目の前の教科書や塾の教材を繰り返し学習し、確実に理解することが最優先です。新しい参考書や受験テクニックは、その土台ができてから初めて必要になるものです。
この考え方が身につけば、日米を卒業してもなお、自分で勉強することができるでしょう。もちろん、社会に出れば「解答のない問題」に取り組むことになります。しかし、その解決に必要な知識や経験は学びの過程で培われます。そして、勉強に限らず、どんなことでも行き詰まったときは、いつでも相談に来てください。日米はいつでも皆さんを支えています。皆様にとって、そして地域にとって、なくてはならない教育機関となるためにスタッフ一同全力で取り組んで参ります。