日米進学通信

日米進学通信2019年度5月号「教育とは何か?」

 平成から令和へとつながったゴールデンウィークが終わりました。最近は「五月病」になる暇を与えないかのように、中学では修学旅行シーズンに、小学校では運動会シーズンになっています。気温も急激に上昇してきており、色々と大変な時期です。そんな中でも笑顔で日米に来てくれる生徒の皆さんに対して授業をしていると、自分も元気になるのです。本当に有難う!

 また、ほとんどの高校生にとってこの時期は中間テストの直前です。例年と同じように最近は3月に卒業した高校1年生の多くが、高校生活最初の定期テストに向けて自習にきてくれています。「勉強は入試で終わるわけではない」ということを自覚してくれていることを嬉しく思います。この時期に既に様々な学年の生徒達で満席状態になっている自習室を見て、「これが日米の成果を支える原動力の一つなんだ!」と改めて実感しています。まだ、自習室を利用していない皆さんも、是非1度、自習室に来て下さい。きっと、周りからの影響で勉強がはかどることを実感できますよ!

 さて、日米は塾として、生徒の皆さんの「志望校合格」を第一の目標としています。しかし、日米が「目的」としているのは「受験を通じた子供達の自立支援」です。生徒の皆さんの成績を単に上げるだけではなく、「その先の人生につながる力」を身につけてもらうために、様々な試みを行っています。その試みの一つが「教育コーチング」です。日々の授業や面談の中で、講師達は教育コーチングの手法を用いています。教育コーチングの具体的な内容につきましては、今後の保護者会などでご説明致しますが、今月の通信では教育コーチングが前提としている「教育」についての考え方をお知らせしていきます。

 まず、教育とは正に「教」と「育」からなる熟語です。「教」とはTeaching、すなわち知っている者から知らない者へ、知識や情報を伝えたり行動させたりする行為です。それに対して、「育」とは「羽くくむ=親鳥が雛を自分の羽で抱きかかえて守り育てる」ことからできた言葉であり、見守る、一人前になるように導くといった行為をさします。その行為こそがCoachingです。もちろん、この両方がそろって初めて「教育」となるわけですが、このバランスこそが教育を実践していく上でのポイントになります。

 講師達が「教」を実践しようとして、いくら声をからして自らの想いを伝えようと授業をしても、また、励ますつもりでどれだけ「頑張れ!」と言っても子供達の心には全く届かないということがあります。それは何故か?教育コーチングを実践する上でまず考えなくてはならない点です。「教」がその役割を果たすには「何か」がなくてはなりません。その「何か」とは、勉強する目的であり、興味・関心であり、意欲です。そして、その素となるのが「学ぶ喜び」であり、自分を受け入れてくれる「安心感」なのです。子供達からこれらの感情を引き出すこと。それが「育」の役割の一つ目です。

 また、「教」によって得られた知識はそのままでは役に立ちません。その知識を人生においてどのように生かしていけば良いのか?つまり、知識を「生きる知恵」にすることが必要となります。その過程で大きな役割を果たす創造力、応用力や計画性といった力を身に着けることができるように導くこと、それが「育」の二つ目の役割です。

 このように「教」を支え、その土台となるのが「育」だといえます。「育」がうまく機能すれば、子供達は自ら学び続けることができ、最終的な自立へとつながると考えられます。とかく、塾などでは「教」の部分の技術が強調されがちであり、いい授業さえすれば、あとは生徒達の責任であるということになりがちです。しかし、生徒達の成長にとって「育」の充実は不可欠なのです。とはいえ、「育」は「教」に比べると抽象的な役割を担っているため、なかなか目に見える形で実践し、共有することが難しいことも確かです。「教育コーチング」はこの「育」の具体的方法論であり、現在は日本青少年育成協会(日青協)のカリキュラムにより体系的に学ぶことが可能となっています。

 日米では授業や面談を行っている講師全員が日青協のカリキュラムによる研修を受講し、この学びを日々の授業を通じて実践し、更に充実した指導を行うことができるように励んでおります。そして、生徒達ばかりでなく、少しでもご家庭での保護者の皆さんのお力になれるような発信やご協力を行って参ります。ご意見やご要望も是非、お寄せ下さい。精一杯対応させて頂きます。

 今月もよろしくお願い致します。

日米文化学院
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