塾の「宿題」の正しいやり方
ここ数年に比べて桜の開花時期が遅れ、桜舞い散る中での入学式が各校で行われたようです。(日米の目の前の勝田台小では行き過ぎとも思える桜の「剪定」がなされて、ちょっと残念でしたが。)この時期は、入学式後の卒業生達が、真新しい制服に身を包んで続々と日米に来てくれるときです。笑顔で近況を話しながら、彼らと写真撮影をすることは日米講師にとって本当に塾講師冥利に尽きるときです。この笑顔のままに、素敵な学校生活を送ってくれることを心から祈るばかりです。
入学後に待ち受ける「事実」
ただ、そんなキラキラした瞬間の後に待ち受ける厳然とした事実があることも私達は知っています。入学した直後の高揚感は徐々に薄らいでいきます。いざ授業が始まれば、今までとは別次元の難易度で学習は進むものの、目標設定が明確であった受験期とは異なり、モチベーションの維持がなかなか難しいことも事実です。また、新しい環境での人間関係作りの悩みもあります。特に、上位校に入学した生徒の中には、周囲のレベルの高さに焦りを感じることもあるようです。
その様な問題を解決するのも日米文化学院の存在意義の一つです。顔さえ出してくれれば、相談にも乗り、アドバイスもできます。また、今年度は「OK!学習法コース」という新たなコースを開講しました。学習指導要領の改訂で、非常に多くなったと感じる高校での「課題」や日々の学習での質問に答えて、充実した学校生活を支える手助けをする講座です。推薦入試などの「年内入試」が主流になりつつある今の大学入試において入学して最初の定期テストをしっかりと乗り切ることは非常に重要です。そこで、中学部卒業生は5月まで無料で受講できることにしました。既に30名程度の皆さんにお申し込み頂いております。これだけの卒業生達が、「勉強に終わりがない」ことを意識してくれていることを本当に嬉しく思います。そして、勉強だけではなく、学校生活全てにおいて頑張れ、新1年生!
正しい「宿題」のやり方とは?
日米では、塾としてまず、「志望校合格」を目標に掲げています。しかし、それと同時に、受験を終えても継続することで効果を発揮する「正しい勉強の仕方」の習得を目指しています。そこで、例年同様、今月号の通信では「正しい勉強(問題演習)の仕方」と「宿題のやり方」の基本について考えます。
日米の授業では、学年や教科によって若干の違いがあるものの、原則として問題演習はノートにやることになっています。これは簡単にいうと、「間違えた問題を繰り返す」ためです。そして、間違えた問題には問題番号に✔をつけることになっています。 しかし、宿題チェックの際に確認すると、テキストにほとんどマークがついていない生徒がいます。このタイプの多くはなかなか結果が出ていません。逆に、成績が非常に上がっている生徒のテキストには✔マークだけでなく、△マークがついています。これは日米が問題演習の際に推奨している「問題の仕分け法」に基づいたものです。すなわち、「正解したけれど完全に理解しているとはいえない問題」「もう少しで正解できた問題」には△をつけるというものです。成績を上げるためには、この△の問題の正答率を上げることがポイントなのです。
また、宿題が出された場合、原則として、ただ問題演習をするだけでなく、〇付けまでを各自で行うことがルールになっています。そして、この〇付けの仕方でも差が付きます。成績が振るわない生徒の多くは、間違えるとその脇に色ペンで正解を書き込んでいます。また、記述問題が出来なかった場合には、明らかに模範解答がそのまま写されているのです。一方で、成績が伸びている生徒は、解答を書いたところには○×をつけただけで何も書かれていません。間違えたままの状態で残されています。では、間違い直しはどうしているのかというと、ノートの別の箇所にもう一度やり直しているのです。さらに、抜群の成績を残している生徒は、すぐに間違い直しをせずに、解答・解説を見た上で、時間を空けて、繰り返し行っていることがわかります。
「宿題」は何のためにあるのか?
以上から、問題を解いた後のやり方が成績を上げることに関して大きなポイントとなることは間違いありません。しかし、「問題演習の仕方」や「宿題のやり方」以上に意識しなければならないことがあります。それは、「何のための問題演習なのか」「何のための宿題なのか」をしっかり考えて取り組むことの重要性です。日米では「成績が上がる」とは「出来なかったことができるようになること」と定義しています。したがって、成績を上げるために「勉強する」とは「出来なかったことを出来るようにする」ことになります。これを授業や集会などを通して繰り返し生徒の皆さんにお伝えしています。その結果、ほとんど全員が「成績が上がるとは?」「勉強するとは?」という問いに答えられます。あとは、この意味を本当に理解して、行動に落とし込むことです。「なぜ問題演習で間違えたところに✔をするのか?」「なぜ書き込みの宿題で答えを写さない方が良いのか?」。結果を出している生徒は、自分の行動の目的をしっかりと考えた上で物事に取り組んでいるのです。何事も「何のためにするのか?」という目的意識を持ち続けていきましょう。
宿題は「やることが目的」なのではありません。「出来なかったことをできるようにすること」、少なくとも「自分が出来ないことを明らかにすること」が目的です。だから、自分の頭を使わずに、模範解答を写すなどして適当にやるくらいなら、「やらない方がまし」なのです。昔から宿題は「嫌々ながらやるもの」と相場は決まっています。しかし、宿題の本質は自分が出来なかったことを一つでも多く出来るようにしてくれる、「自分を成長させてくれるもの」なのです。だから、極端にいえば「1問」でも良いので、自分の頭を使って、宿題に取り組んでみてください。その積み重ねが大きな違いとなっていつか現れます。
4月以降も、日米の講師は皆さんに授業内容をしっかり伝えることはもちろん、「目的意識」を持ってもらえるような授業作りをしていきます。その積み重ねの上に、皆さんの「成績アップ」「志望校合格」そして、日米の掲げる「受験を通じた自立支援」があります。これからの日米にも御期待下さい!