日米進学通信

桜が教えてくれる「成長の順番」

桜が教えてくれる「成長の順番」

昨年、一昨年は桜の開花が遅れていましたが、今年は例年よりやや早めの開花となりました。地球温暖化の影響で開花時期は早まる傾向にある一方、過去2年のように遅くなったり、今年のように早まったり。また、満開になるまでの期間が長くなったり、満開の前に散ってしまったりする現象も見られるようです。

 

この背景には、植物の生理現象があります。桜は、ただ暖かければ咲くわけではありません。冬の間に「凍えるような寒さ」をしっかり経験することで、眠りから覚めるスイッチが入ります。これを「休眠打破」と呼びます。過去2年は暖冬で休眠打破が遅れ、3月の寒の戻りも重なって、開花が遅く、満開までの期間も長くなりました。今年は逆に、冬にしっかり冷え込み、2月から一気に気温が上昇したことで、開花も満開も早まったということです。十分な「寒さ」と、その後の「上昇」。この順番があってこそ、桜は美しく花開きます。


子どもの成長と、大人の役割

この「休眠打破」という現象は、子どもたちの成長を考えるときに、深く考えさせられる示唆を与えてくれます。どんな子にも、成長のきっかけとなる「タイミング」があります。それは進学や転校といった環境の変化であったり、周囲の大人のふとしたひと言であったりします。「あの一言があったから変われた」と後に語る卒業生は、決して少なくありません。

 

ただし、同じ環境の変化があっても、同じように成長するとは限りません。同じ言葉をかけても、大きく変わる子もいれば、まだその時ではない子もいます。ここが植物との大きな違いです。桜と違って、子どもたちの「休眠打破」のタイミングは、一人ひとり異なるのです。

 

だからこそ、私たち大人にできる最も大切なことは、焦らないことです。目先の結果を求めるあまり、つい余計な一言を言ってしまう。その気持ちはよく分かります。しかし、その一言が、せっかく開こうとしていた扉を閉じてしまうことも、残念ながら少なくないのです。「まだか」ではなく、「もうすぐだ」という目で、子どもたちを見続けてほしいと思います。

受験は、子どもたちにとっての「凍えるような寒さ」かもしれません。しかし、その寒さがあるからこそ、眠っていた力が目覚める。その「休眠打破」のタイミングを保護者の皆様と共に見極めながら、これからも子どもたちに寄り添っていきます。


笑顔の先にある現実

入学式を終えた卒業生たちが、真新しい制服に身を包み、続々と日米に顔を出してくれています。笑顔で近況を話す彼らと写真を撮るその時間は、講師にとってこの上ない喜びです。

 

しかし、その高揚感の後に待っている現実も、私たちは知っています。授業が始まれば難易度は一気に上がり、受験期のような明確な目標もない中でモチベーションを保つのは容易ではありません。新しい人間関係にも気を使い、特に上位校に進んだ生徒は、周囲とのレベル差に戸惑いを感じていることも少なくありません。

 

入学後のそのような悩みは、多くの生徒が経験することです。日米では、顔を出してくれた卒業生の話に耳を傾け、前向きな気持ちで学校生活を送れるよう、共に考えています。

 

また、中学部卒業後も多くの新高1生が高校部へ進んでくれました。さらに今年度は、例年以上に多くのYTコース卒業生が中学部で学び続けてくれています。本当にありがたく思っています。頑張れ、新1年生。

 


「できなかったことを、できるようにする」

日米が大切にしていることは、シンプルです。「できなかったことを、できるようにすること」。これが勉強の本質であり、日米の指導の軸です。

 

授業を聞いて理解する。しかしそれだけでは「できる」ようにはなりません。問題を解き、間違えて、なぜ間違えたのかを考える。その繰り返しの中でこそ、力はつきます。

 

保護者の皆様に、一つお願いがあります。お子さんが宿題に取り組んでいるとき、「終わったか」ではなく、「どこで詰まっていたか」を聞いてみてください。間違えた問題を放置せず、最後まで考え抜こうとしているかどうか。その姿勢こそが、成績の差を決定づけます。答えの正誤ではなく、「どう向き合ったか」を見ていただきたいのです。

 

成績が上がる生徒に共通しているのは、特別な才能ではありません。「できなかった自分から逃げない力」です。そして、それを支えているのは、日々の積み重ねによって育まれた習慣です。

 


この春、それぞれの『休眠打破』を

この春、新たなステージに立った子どもたちが、それぞれのタイミングで「休眠打破」を迎えられるよう、保護者の皆様と講師が一体となって支えてまいります。

 

桜は、寒さを経験した木だけが花を咲かせます。今、子どもたちの中に積み重なっているものも、必ず、いつかその時が来ます。その花が開く瞬間に立ち会えること――それが、私たちの何よりの喜びです。

 

本年度も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

日米文化学院
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