日米進学通信

日米進学通信2020年度12月号「入試を受験してまで学び続ける意味」

高1佐倉高A君と船橋高Hさん中3生に送る激励の言葉

 今年もいよいよ最後の月を迎えました。様々なことが今まで通りに行うことが出来なかった1年でした。そんな中での受験シーズンの到来です。既に、千葉県私立中の推薦入試(第一志望入試)は終了し、3名の受験生が合格を勝ち取りました。また、大学の推薦入試でも嬉しい知らせが続々と届いています。その合格者(6名)のうち5名が小・中学から5年以上日米に通い続けて来てくれた生徒達でした。入会時の成績からすると、考えられない位のレベルの大学に合格した事例もあり、それぞれに感慨深い報告でした。

 そんな彼らの報告を耳にしながら、この時期に毎年繰り返し考えることがあります。それは、「なぜ、入学試験を受けてまで学ぶことを選ぶのか?」ということです。大学の推薦入試で、受験生から「志望理由」の添削を頼まれる度に、このことを一緒に確認するのです。ただ、この問題は大学入試に限ったことではありません。塾に通っている以上、皆さんは受験する道を選んだはずです。もしかすると、ほとんどの皆さんは、「世の中がそういう仕組みになっているから」と、特に考えもなしに、この道を選んだのかもしれません。でも、高校は義務教育でない以上、本来、その目的や単位習得が必要になることを理解している人達だけが進学すればよいはずです。ましてや、中学受験はそもそも必要ないものです。では、なぜ、入学試験を受けてまで学ぶことを選ぶのでしょうか?

 その答えは、「自分がより良く学ぶ環境を手に入れるため」であると日米は考えています。その前提としてあるのが「人はそれぞれである」という事実です。各自が持つ能力や個性に応じて学ぶべき内容やレベルも変わってくるはずです。だから、「自分が本当に学びたいことは何か?」を考えることが、受験する上では本来第一になされるべきことなのかも知れません。とはいえ、義務教育までの段階で、その「何か?」を決めるのはなかなか難しいでしょう。それを決めるだけの知識も経験も不足しているのですから。そこで、自分が将来学ぶべきことの選択肢を最大限に引き出してくれる環境を手に入れるために中学入試や高校入試はあるのです。義務教育終了時点で、「もう学校から学ぶことはない」と思えたならば進学する必要はありません。

 では、そもそもなぜ「学ぶ」必要があるのでしょうか?これもまた、ほとんどの人は特に考えることなく生きているかも知れません。でも、「学ぶ」ことの必要性を理解することで、人生は変わります。自分にとって必要だと心から納得すれば、自ら学ぶようになるからです。日米では、学ぶ必要性を「よりよく生きるための知恵を身につけるためである」と考えます。人は様々な場面で学び、知恵を身につけ、そして、より良く生きようとするものです。別にその知恵は、いわゆる「勉強」によってのみ身に付くものではありません。それこそ、周囲の人々、すなわち、先生や友達、また、様々な活動を通じて身に付く知恵もあるでしょう。それだけに、「学ぶ環境」が重要になるのです。

 「自分がより良く生きるためには何が必要なのか?」を考え、「学ぶ環境」を選び、自分が進むべき道を見出していくこと。私達はそれを生涯繰り返して生き続けていくのだと思います。今回、推薦入試での合格を手にした高3生諸君は、今までの経験から、自分が学ぶべきことは何かを真剣に考え、進路を決め、そこに向かって努力を積み重ねてきたのです。長い間、その成長の過程を見守ってきて、心から誇らしく思えます。本当におめでとう!そして、ここに至るまで日米で学んでくれて有り難う!!

 入試を目の前にした受験生諸君は、正に様々な不安や葛藤の最中にあると思います。しかし、目の前にある課題に取り組むことは、今後君達が「より良く学べる環境を手に入れるため」であり、「より良く生きるため」の学びの一環です。だからこそ、心から真剣に取り組むだけの価値があるのです。そして、ただ単に入試に「受かれば良い」という訳でもありません。受かるまでの過程が「より良い自分」につながらないようなものであるならば、受験は、いたずらに不安やつまらない競争意識を煽るだけの害悪でしかないのです。受験勉強に行き詰った時に、「自分がなぜ、今、この勉強をしているのか、その先に何があるのか?」ということを、立ち止まって考えてみて下さい。受験の先にあるのは君達にとっての「より良い未来」なのです。そう考えれば、受験勉強は苦しいばかりではなく、自分を成長させてくれる素晴らしいチャンスと言えるのです。

 日米は生徒の皆さんが受験を通じて「より良い未来」を手に入れるための「最良の環境」となれるようにスタッフ全員が力を尽くします。それが日米の塾としての存在意義です。日々の授業はもちろんですが、授業外での声掛けやイベントを通して、皆さんの学びの過程を支えていきます。今年は、例年と同じような形で皆さんを応援することができていないことは確かです。しかし、こんな時だからこそ、今までにない形で、受験生を鼓舞していけるような方法を模索していきます。我々にとっても、皆さんと過ごす日々が学びの過程であり、学ぶためのより良い環境作りにつながる知恵を身に付ける機会となっているのです。

 今年1年間は、かつて経験したことがないことだらけの日々でありながらも、皆様のご理解とご協力に支えられ、ここまでの日々を何とか乗り切ることができました。本当に感謝しかありません。もっとも、これからが塾にとっての正念場であると共に、ウィルスの感染を防ぐための方策に緊張感を持って取り組む毎日となります。特に受験生の保護者の皆様にとっては、精神的に大変な日々になるかと思います。何よりも、お身体を大事にお過ごし下さい。日米は精一杯、皆さまに寄り添えるように努めて参ります。

日米文化学院
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