日米進学通信

「合否を分ける」模擬試験の正しい活用法(中学受験・高校受験)

模擬試験の正しい活用法

夏期講習の総括テスト、YTコースの組分けテスト、合不合判定テストと、夏の学習を確かめる結果が出揃いました。二期制の中学校では、前期期末テストも終わったところです。

「自己ベストを更新できた!」という声の一方で、「あれだけ勉強したのに……」という声も聞かれます。毎日塾へ送り出してくださった保護者の皆さんの中にも、期待が大きかった分、戸惑われている方がいらっしゃるでしょう。

嬉しいときは喜んでよいし、悔しいときは悔しがればよい。ただ、そこで終わらないことです。どのテストも、本番の入試ではありません。今月は、模試を合格につなげる使い方をお伝えします。

偏差値は「上下」より「距離」を見る

模試が続くこの時期、1週間で偏差値が大きく変わることがあります。しかし、それだけで学力が急に伸びた、落ちたとは言えません。出題分野との相性に加え、模試によって受験者層も違うため、異なる模試の偏差値はそのまま比較できないのです。

見るべきなのは、一回ごとの上下より、志望校までの距離です。その模試が示す志望校の合格目安と照らし合わせ、同じ種類の模試で数回分の推移を確かめる。そのうえで、「あと何点、どの問題で取るか」を考えましょう。

歴代の合格者、とりわけ最難関校の入試を勝ち抜いた生徒たちは、模試を「判定をもらうテスト」ではなく、「次の勉強を決める教材」として使っていました。

模試でしか鍛えられない力を磨く

「まだ勉強が足りないから、模試はもったいない」。そう考える人もいるでしょう。しかし、ひと通りの単元を学んだ小6・中3にとっては、学んだことを使う練習が欠かせません。

社会の用語を覚えていても、見慣れない資料や違う切り口で問われると答えられない。「知っている」と「解ける」は別なのです。志望校に合った模試は、入試を意識した出題を通じて、その違いに気づかせてくれます。復習の時間も確保しながら、積極的に受けてください。

もう一つの目的は、時間配分と気持ちの切り替えです。難問に粘りすぎて、後半の解ける問題を逃してはいけません。「今解くか、いったん飛ばすか」を判断する力も必要です。

日米でも授業内演習を行いますが、複数教科を本番に近い緊張感で受ける経験は貴重です。一教科で失敗しても、「次で取り返す!」と立て直す。こうした受験技術も、模試で磨いていきます。

振り返りは「当日」と「返却後」の二段階

まず、受験当日に自己採点をしましょう。答えだけでなく、「なぜそう考えたか」が記憶に残っているうちに振り返ることが大切です。試験中は、時間に無理のない範囲で、自分の解答を問題用紙にも残しておきましょう。

たとえ正解でも、根拠が曖昧なら確認が必要です。「合っていると思ったのに」という悔しさも、正しい知識や解き方を覚え直すきっかけになります。解説を読んでも分からない問題には印を付け、いったん先へ進みましょう。

日米では、中学生に自己採点結果をQRコードから提出してもらっています。提出率100%には届いていませんが、上位クラスほど提出率が高いのは事実です。自己採点だけで成績が決まるわけではありません。それでも、「受けて終わり」にしない習慣は大切にしたいと考えています。

成績表が返却されたら、問題ごとの正答率を見て、復習の優先順位を決めます。保護者の皆さんも、「間違った問題は全部解き直さなければいけないのでは?」という考え方を捨ててください。「直すべき問題はどの問題なのか?」を考えることが大切なのです。

優先するのは、正答率が高いのに落とした問題です。たとえば正答率50%以上を一つの目安に、現在の学力や志望校に合わせて範囲を調整します。正答率が極端に低い難問は後回しにして構いませんが、志望校でよく出る内容なら復習が必要です。迷ったら講師に相談してください。

間違いの原因は、①知識が足りなかった、②知識を使えなかった、③読み違いや計算ミスをした、の三つに分けると対策が立てやすくなります。①は覚え直す、②は解説で考え方を確認して類題を解く、③は見落とした条件や計算過程を点検する。「うっかりだった」で済ませず、どこをどう確かめれば防げたかまで考えましょう。そして、復習した問題は、後日、自力で解けるか確かめてください。復習の目的は、解説に納得することではなく、次に得点できるようにすることです。

難問を理解することにも価値はあります。ただ、取れる問題を落としたまま、難問ばかりを追いかけてはいけません。まずは、取るべき一問を確実に取る。その積み重ねが、合格への道を開きます。

「本番じゃなくて良かった!」

結果が良ければ自信にする。ただし、取りこぼしは見直す。悪ければ、合格ラインまでの不足点を教科ごとに分け、「次に取る一問」を決める。保護者の皆さんにも、判定だけでなく、その後の行動を見ていただきたいと思います。

模試で弱点が見つかったなら、まだ直す時間があります。だからこそ、こう言ってみてください。

「本番じゃなくて良かった!」

そして、その言葉を「次は取れる!」に変えていく。夏に積み重ねた努力を実らせるのは、模試の結果そのものではなく、結果を受けて今日から始める勉強なのです。

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