日米進学通信

「なぜ、うちの子は言うことを聞かないのか?」

「なぜ、うちの子は言うことを聞かないのか?」

6月も終わりに差しかかり、いよいよ7月を目前に控えた時期となりました。梅雨空が続く中、気温と湿度がともに高く、生徒の皆さんにとっては体力的にも精神的にも負担の大きい日々です。体調が優れない場合には、Zoomでの受講や中学生向けの「サポートタイム」など、日米でもできる限りの対応をしております。ただ、何よりも大切なのは、万全の体調で元気に通塾してくれることです。この蒸し暑い季節を、無理をしすぎず、しかし歩みは止めずに、一緒に乗り越えていきましょう。

さて、日米では先月より、各コースで「保護者会」および「個別面談」を実施してまいりました。ご多忙の中ご参加くださいました皆様には、心より感謝申し上げます。保護者会では、学習内容や入試情報だけでなく、学年の発達段階に応じてお子さんとどのように関わっていくかということも、毎年大切なテーマの一つにしています。今年も保護者の皆さんからさまざまなお声をいただく中で、改めて強く感じたことがあります。
それが、冒頭の問いです。
「なぜ、うちの子は言うことを聞かないのか?」
多かれ少なかれ、どのご家庭でも一度は抱かれたことのある思いではないでしょうか。

この問いを考えるときに大切なのは、子どもの「行動」だけを見るのではなく、その奥にある「気持ち」に目を向けることです。もちろん、これは簡単なことではありません。私たちはどうしても、目の前の行動に反応してしまいます。

例えば、テストを返されたお子さんが、結果を見せようとしないまま自分の部屋に入ってしまったとします。
「ちょっと待ちなさい。テスト、何点だったの?見せなさい。」
つい、このように声をかけてしまうかもしれません。すると、
「別にいいじゃん。どうせ怒るんでしょ。」
 という反発が返ってくることは、容易に想像できます。あるいは、何も答えずに無視されてしまうこともあるでしょう。これは、子どもの「行動」に直接反応した場合に起こりやすい典型的なパターンです。

では、テストを見せようとしないという行動の裏には、どのような気持ちがあるのでしょうか。恐らくは「点数が悪かったからに決まっている!」ということになると思います。
確かに、それも一つの理由かもしれません。しかし、そこで思考を止めずに、もう一段階深く考えてみます。
「なぜ、見せることをそこまで嫌がるのだろう」
「なぜ、そこまで怒られると思っているのだろう」
「本当は本人も悔しいのではないだろうか」
そう考えてみると、かける言葉が少し変わってきます。

保護者:「テスト、思うようにいかなかったの?」
子:「……うん。頑張ったんだけど、全然できなかった。」
保護者:「そうか。悔しかったね。」
子:「怒らないの?」
保護者:「あなたが頑張ったのは知っているから。次にどうするか、一緒に考えよう。」
子:「……わかった。」

もちろん、いつもこのようにうまくいくわけではありません。現実の子育ては、もっと複雑です。また、「うちの子はそもそも頑張っていない」「悔しいと思っているようにも見えない」と感じられることもあると思います。そのようなとき、「気持ちに寄り添うよりも、まず行動を変えさせなければ」と思うのは、ごく自然なことです。しかし、頑張れていない子どもにも、必ず何らかの気持ちがあります。
「どうせやっても無駄」
「何から手をつければいいかわからない」
「やらなければいけないのは分かっているけれど、始められない」
「できない自分を見たくない」
そうした気持ちに触れないまま、行動だけを変えようとしても、多くの場合、長続きしません。反対に、行動の手前にある気持ちに目を向けることで、変化の糸口が見えてくることがあります。

大切なのは、子どもを甘やかすことではありません。叱らないことでもありません。行動を正す前に、まずその行動の奥にある気持ちを理解しようとすることです。その姿勢があるだけで、子どもは少しずつ「自分のことを分かろうとしてくれている」と感じます。そして、その安心感があるからこそ、次の行動に向かう力が生まれてきます。

とはいえ、保護者の皆さんご自身に余裕がなければ、そうした関わりを続けることは難しいものです。日々のお仕事、家事、子育てに追われる中で、つい感情的に反応してしまうこともあると思います。だからこそ、完璧を目指す必要はありません。お子さんの行動が気になったとき、すぐに言葉をぶつける前に、一呼吸おいてみる。―「この子は今、どんな気持ちなのだろう」―そう考えようとした瞬間から、関わり方は少しずつ変わっていきます。

私たちも、子育てが簡単なものではないことを重々承知しています。日々、お子さんと向き合い、悩みながら支えていらっしゃる保護者の皆さんのご苦労を、日米のスタッフ一同、いつも感じています。

学習面はもちろん、お子さんとの関わり方についても、どうぞ遠慮なくご相談ください。日米文化学院は、ただ勉強を教える場所ではなく、子どもたちが自分の気持ちと向き合い、次の一歩を踏み出していくための場所でありたいと思っています。そして同時に、保護者の皆さんが一人で抱え込まずに相談できる場所でもありたいと思っています。

 

日米文化学院
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